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モンテッソーリ教育について
1. モンテッソーリ教育とは
 モンテッソーリ教育とは、イタリア女性初の医学博士マリア・モンテッソーリ(Maria Montessori 1870−1952)が、医学・哲学・教育学・心理学・生物学等の広範な学問を背景にしておこなった治療教育の実験と研究から生みだされた教育法です。
 今日では、モンテッソーリ教育は世界中で支持され、教育界に最も大きな影響を与えた教育法の一つとされています。
 モンテッソーリ教育とは、具体的にはどのような教育なのでしょう?
 ここでは、モンテッソーリ教育の特徴的な内容について、簡単にふれてみたいと思います。
マリア・モンテッソーリ

 子どもは、ある特定な事柄に特別な感受性を発揮する時期があります。モンテッソーリは、このような時期を敏感期(Sensitive Periods)と呼び、その重要性に注目しました。子どもはある時期、環境の中の特定の要素に敏感に反応し、集中してこれと関わりを持とうとします。この関わりを通して、生きていく上で必要な能力を獲得していくのです。この感受性は一過性のもので、一定の期間にあらわれ、消えて行きます。
敏感期の特徴としてよく例にあげられるのは、ド・フリース(オランダの生物学者)の研究です。蝶(ポルセシア)は雨風から卵を守るために、枝が幹から分かれている木のまたの部分に卵を産み付けます。やがて幼虫が生まれますが、この幼虫は、枝の先端にある新芽だけを食べて成長します。この幼虫は、光に対して特別な感受性を持っています。光の来る方向を敏感に捉えて、その方向へ進んで行き、枝先の新芽を食べることができるのです。幼虫が、堅い葉を食べられるようになる頃には、光に対する感受性は消失します。
モンテッソーリは、このように生物が幼少期に示す特性と類似した現象が、子どもたちの発育段階にも見られることを発見し、教育における敏感期の重要性を訴えました

幼児期に見られる敏感期には、次のようなものがあります。

※それぞれの敏感期の期間は、子どもによって差があります。

 上の表で、最も初期に現れるのは、話し言葉に対する敏感期です。話し言葉への敏感期にある子どもは、外国語が話される環境の中でこの時期を過ごせば、外国語を完璧に身につける事が出来ます。それに比べて、敏感期が終わってしまった大人は、外国語を修得するために、どれだけの時間とエネルギーと費用をかけなければならないでしょうか。

 3歳から6歳頃は、感覚と運動の敏感期です。3歳頃になると、感覚器官(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)が完成されます。この頃が感覚を洗練するのに最も適した時期にあたります。子どもたちは感覚器官を通して、自分を取り巻く環境から情報を取り入れていきます。その感覚が洗練されることにより、感覚を通して入ってくる情報はより正確になり、子どもはそれらの微妙な違いを意識するようになります。感覚が磨かれることにより、感じる心も育ち、感受性が豊かな子どもに成長していきます。
 また、この時期は筋肉運動の調整期でもあります。自分の意志がしっかり育ち、自分の思い通りに筋肉を動かしたいという欲求が強まります。自分の意思通りに、正確に自分の身体を使いこなせることは、子どもにとって大きな自信となり、新たなものへ挑戦しようとする意欲へと繋がります。

 子どもは、自分を取り巻く環境の中から、無意識のうちにあらゆる印象を吸収し、自分自身を形成する力を持っています。モンテッソーリは、この特別な力を
「吸収する心」(The Absorbent Mind)と名づけました。無秩序で乱雑な家庭環境で育てば、そのような特徴を身につけた子供になります。また温かく、穏やかな環境で育てられれば、温かさと穏やかさを身につけた子どもになるでしょう。我々大人は、幼児期における環境の重要さを認識しなければなりません。

 子ども達が幼児期を通して、豊かな感受性と洗練された動きを身につけることは、自分の人生を主体的に創造的に生きるための重要な土台となるでしょう。


2.モンテッソーリ教育の目指すもの
 モンテッソーリ教育は、子どもの自立を助けながら彼らが持つ可能性を伸ばす教育です。他人から言われて教具を選ぶのではなく、教師の一方的な押しつけのカリキュラムで動かされるのでもなく、子供が一番興味を持つ活動を自分で選んで活動していきます。どんな幼い子どもでも『自己』を持つところから出発します。
 モンテッソーリの教室は、子どもの発育を援助するために次のような配慮がなされています。

 1. 子どもが取扱いやすいサイズの用具
 2. 子どもの発達段階に合った教具や活動を用意
   (できるだけ本物であること)
 3. 子どもの知的要求に応えられるように、系統だてて
   準備された教具類
 4. 教具類は常に整理整頓され、子どもたちにとって魅力的

 教室の中で子どもは、いつでも自分が一番興味を持っている活動を、自分のペースで満足いくまで繰り返すことができます。成長していくのは子ども自身です。モンテッソーリ教師の役割は、教室の環境を整え、子どもが自立していくのに必要な手助けをすることです。このような環境の中で、子どもは発達につながる活動を繰り返し、自分に対する自信を深めながら成長して行きます。幼児期のこの体験こそ、自立した人間を築く土台となります。いつも親の意志通り、教師の指示通りに動かされてきてしまった子どもは、自分では何も決めることが出来ない受身の人間になってしまいます。

 自立した子、手先の器用な子、身体のコントロールが十分に出来る子は、工夫し、創造し、考える子に育ちます。

 モンテッソーリのめざす教育は、自立した、思考力のある、温かい、調和のとれた人格をもつ人間教育です。


モンテッソーリ教師による教具紹介

モンテッソーリ 子育て日誌

乳幼児コース