小さいつまみのついた10個の円柱が、太さの順に、木製のブロックにはめ込まれています。
このつまみを3本の指でつまんで、円柱を木枠からはずし、バラバラに置いていきます。
次に、円柱の底面の大きさと、木枠の穴の大きさを見比べながら、1個づつ、元の穴にはめ込みます。 |
|
間違えて円柱を他の穴に入れてしまうと、どうしても、円柱が残ってしまいます。
このようにして子どもは、大人によって間違いを訂正されるのではなく、自分で自分の間違いを発見して、それを直していくようになります。
お教室の中では、小さい子から大きい子まで、『はめ込み円柱』は大変人気があります。
どの子も、何度でも、飽きずにこの活動を繰り返します。
小さい子どもたちは、円柱が穴の中にピッタリおさまる感触や、円柱が穴の中に入って見えなくなってしまう様子に、大変興味を惹かれるようです。集中して活動している姿をよく見かけます。 |
大きい子どもたちは、4セットの木枠(それぞれの木枠に、太い順・大きい順・高い順・厚さの順で円柱がはめ込まれています)
を全部使って、何人かのグループでゲームを楽しんだり、目隠しを使って手の感触だけをたよりに、全部の円柱をはめ込んでみたりしています。 |
|
このように、楽しみながら活動を繰り返すうちに、円柱のわずかな寸法の違いを、正確に識別できるようになっていきます。
ある時、教師が木枠からはずした円柱を、音をさせないでそっと置くように、子どもの興味を惹きつけると、その子は自分の手の動きを調節しながら、ひとりで何回も、静かに置く練習を繰り返していました。
おやつの後のおかたづけの時も、お皿の音をたてないように、そっと重ねて置き、お帰りの時も、かばんを机の上に丁寧に置いていました。
そして、とても満足そうな表情をして帰っていきました。
1つの教具を何度も繰り返して、深くかかわっていく中で、子どもたちは、時として、私達大人が想像する以上に、じつに多くの事を学びとって成長していきます。
お教室では、モンテッソーリの言葉『教えながら、教えなさい。訂正するのではなく』を心がけています。
子どもが何か間違えたとしても、行為を中断させてすぐ訂正させるのではなく、別の機会に正しい方法をもう1度示してあげるのです。
例えばハサミを手渡す時に、刃先を向ける方向が違っていたとします。
何人かのお友達の前で、その子の間違いを指摘するのではなく、次にハサミを手渡す機会がきた時に、教師が正しい持ち方をその子がわかるようにやってみせるのです。
子ども自身が、自分で正しい答えにたどり着くまでのプロセスを大切にしています。
ほんの少し時間をかけるだけ、僅かな手間を惜しまないだけで、子どもの理解力は格段に深まるということを、いつも子どもたちが証明してくれます。 |
吉祥寺本教室 室長(モンテッソーリコース主任教師) 尾崎みさ子 |